23年間のサラリーマン人生で、唯一、本当の先生と呼ぶことができる人が一人だけおられます。
落合先生です。
今は、先生が他界され、講義もなくなりました。
厳しかったけど、本当に素晴らしい先生でした。
アナログ回路の基礎講座だったのですが、月に1回、日曜日の朝9時から夕方5時まで、大の大人が本気で叱られる。
こんな有難い経験はなかなかできません。
一つ一つは基本的なシンプルな内容なのですが、本質をついていました。
どの本にも載っていない、生きた知識。
ここでは、その一部を紹介したいと思います。
目次
エンジニアにとって大切な3つの要素
エンジニアにとって大切な3つの要素を教えてもらいました。
今でも、新卒などに指導する際に伝えています。
逆に、厳しい言い方になりますが、これを自分自身で意識して、その素養が無いと判断できたら、素直にエンジニアはあきらめた方がいいかもしれません。
素直であること
エンジニアに限らず、一番重要なことだと思います。
「素直」の定義も難しいですが、やはり素直でないと成長しない。
素直と自分のこだわり、バランスは難しいところです。
勘がいいこと
これは生まれ持ったものかもしれません。
「これはいけそう」「なんかやばそう」という野生の勘です。
エンジニアには必須でしょう。
お節介焼きであること
一番意外だったのが、これです。
「自分だけよければいい」という考えは、若いうちは通用します。
でも、経験を積むとわかってくるのですが、自分ひとりでは限界があり、最終的にはチームで成果を出さなければならなない。
そうなると、自分だけでなく他の人への気配りが大切になってきます。
それを「お節介焼き」と表現されたのですね。
ノートの取り方
上の余白を有効に活用する。
今でこそ、「頭のいい人のノートの取り方」が取り上げられていますが、落合先生は20年前からそれを提唱されていました。
「ノートの上の余白に、そのページのポイントをわかりやすく書く」
こうすることで、後で見返したときに大事なところ、ポイントが一目瞭然。
x軸とy軸の交点、原点は0を書く
グラフの交点、原点は必ず0を書くこと。
何気ないことですが、これを続けていくと、物事を判断する時に
「基準は何か?」
「基準はどこか?」
を意識するようになります。
何事も、どこからは始まるのか?を意識することが大切ということです。
これも、単に「原点は0を書く」という習慣から自然に身についていく、素晴らしい言葉だと思います。
実験・測定するときは、結果を予測して、測定点をプロットしながら進める
当たり前だと思われるかもしれませんが、意識しないとできないものです。
でも、こうすることで、まとめる時間を短縮することができたり、さらに自分の勘違いに気が付くことができます。
少し手間だけど、トータルで見ると短縮されている、典型的な例だと思います。
落合先生のまとめ
いかがでしたか?
落合先生から言われたこと自体はとてもシンプルで深い意味は感じられませんが、実際にやってみると、それを意識することで知ることができること、把握できることが深いということがわかります。
これが本当に「先生」と呼ばれる存在なのだと思います。